ポッサム
「俺のクリームパンが誰かに食われた・・・」
家には何人かの同居人がいるので、疑ってはみたものの、
犯人はすぐに判明した。
テレビ台の下からネズミのシッポのようなものが覗いてる・・・
気持悪いから、ホウキで突付くと、のそのそと出て来て、座布団の下に
頭だけ突っ込んで隠れる・・・
が、尻は丸見えだ。
間違いなく「ポッサム」だ。
大きさからしてまだ子供かもしれない。
正確には、(キタ)オポッサムと言う・・・・
そう言えば、私がアメリカに来たばかりの頃、
夜道をのそのそと歩いていたこの小動物(何と言う動物か知らなかった)を
捕まえて、取り合えず食ってみたことがある。
私は、赤ん坊と同じで、見たものは取り合えず口に入れないと気が済まない。
もちろん、いくらゲテモノ好きな私でも、さすがに見たこともない小動物を
そのままかじり付いたり、皮を剥いで刺身にして食ったりするわけもなく・・・・
煮て食った。
コトコトと3時間は煮てみたが、身が硬い上に、決して美味いものではなかった・・・
一般的に食用となっていない訳が分かる。
腹が減っていたとは言え、
我ながらよく食ったものだなと今さらながらに思う・・・・
それにしても、行儀よくクリームパンをかじってくれたものだ。
ちゃんと自分で袋を開けたのだろうか・・・・
側には、せんべいやチョコレートもあったのだか、クリームパンの他には
あさった後もなく、そのクリームパンも袋に入ったまま、元々あった場所に
きちんと置いてある。
座布団に頭だけを突っ込んで、微動だもしない彼を見ていると、
なんだか、いとおしくさえも思えてくる。
このオポッサムというのは、実は外敵から身を守るために
死んだフリをする動物らしい。
「こいつ、死んだフリをしているつもりなのか・・・」
「昔の俺じゃなくて良かったな・・・・」
もちろん、その後はちゃんと逃がしてやった。
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